使い方・家庭における活用方法について
次亜塩素酸水の使い方・家庭における活用方法について
次亜塩素酸水(電解酸性水)は優れた除菌消臭効果と安全性を生かして、掃除や清掃、日常の消臭ニーズなど様々に利用ができます。次亜塩素酸水が使えるシーンのご紹介、特長を生かした上手な活用方法など、便利なアイテムとして使い倒すポイントを解説します。
備え・防災の視点で特に有用な 次亜塩素酸水 の活用方法
ノロウイルス対策に次亜塩素酸水を用いる
次亜塩素酸水が特に有効な効果を発揮するのは、ノロウイルス対策に対してです。ノロウイルスは感染力・伝染力がきわめて高く、家族内に感染者が出た場合、適切な処置をしなければ次々と感染が広がってしまいます。その一方、ノロウイルスを死滅させることができる殺菌剤というものはあまり多くなく、比較的有効とされる「次亜塩素酸ナトリウム」は取り扱いに注意が必要という欠点があります。
次亜塩素酸水は、同じ濃度の次亜塩素酸ナトリウムと比較して、ノロウイルスに作用する力が数十倍あると検証結果が出ており、ノロウイルスを確実に死滅させる殺菌剤として家庭で活用することができます。また安全性も高く、次亜塩素酸ナトリウムが持っている強い漂白作用もありませんので、洋服やカーペットなどにも用いることが可能です。
ただし、次亜塩素酸水は有機物と接触するとすぐに反応して効果を失ってしまうので(安全性が高いともいえるのですが)、ノロウイルス感染者の嘔吐物や排泄物などに直接スプレーなどで振りかけても、すべのノロウイルスを殺菌することができません。そのため、まずこうした嘔吐物や排泄物を取り除き、水拭きをしてから次亜塩素酸水で仕上げの殺菌をするという方法が有効です。なお場合掃除をする者の感染を防ぐために作業時は手袋をマスクを着用し、水拭きをした雑巾は廃棄をするか次亜塩素酸水で殺菌し、念のため次亜塩素酸水で手を洗うというような対応が必要です。
インフルエンザ対策に次亜塩素酸水を用いる
これまでインフルエンザウイルス対策には、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムが除菌剤としてよく用いられてきました。しかし消毒用エタノールは手の洗浄に用いる場合手荒れをおこすことがありますし、次亜塩素酸ナトリウムはそもそも皮膚に触れさせることができません。そこで、インフルエンザウイルスの殺菌にも効果がある次亜塩素酸水が役に立ちます。
次亜塩素酸水は皮膚につけても影響がないため、ドアノブや蛇口などの消毒はもちろん、直接手に振りかけての除菌にも使えます。また超音波式の噴霧器を用いて次亜塩素酸水を室内に撒き、空間ごとインフルエンザウイルスを除菌するというような使い方も可能です。
消臭・除菌という特性を生かした生活シーンでの活用方法
台所・キッチン周りで次亜塩素酸水を使う
次亜塩素酸水は口に入っても安全なため、台所やキッチンでの利用にも適しています。肉や魚を切った包丁・まな板の除菌に用いたり、シンクや三角コーナーの除菌に用いたり、ゴミ箱の清掃にも効果を発揮します。また消臭効果も高いため、臭いが気になる箇所への消臭スプレーとしても活用できます。
ただし、一般的に販売されている次亜塩素酸水には、洗剤成分が混合されていませんので、食器を洗浄したり油汚れを落としたり、という効果は期待できません。洗剤で食器やシンクを洗ってから、仕上げの除菌として次亜塩素酸のスプレーなどを活用するとよいでしょう。
トイレの消臭に次亜塩素酸水を使う
次亜塩素酸水の消臭効果はトイレ掃除においても発揮されます、便器や便座、床や壁などで臭いが気になる箇所へ次亜塩素酸水をスプレーすることで、トイレの臭いの原因を作り出す細菌を殺菌し、さらに臭いの原因となる物質そのものも臭わない物質に変化させてしまうため、強い消臭効果を得ることができます。
少し具体的に説明をしますと、次亜塩素酸(HClO)が、トイレの主要な悪臭成分であるアンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、トリメチルアミン((CH3)3N)、メチルメルカプタン(CH3SH)と結合・酸化分解をして、臭わない化合物に変化をさせてしまうのです。芳香剤のように強い香りで悪臭をごまかすのではなく臭いの元そのものを分解することが特徴です。
ただし、次亜塩素酸は臭い成分以外の有機物ともすぐに反応してしまうため、トイレが汚れている状態でスプレーをしても、臭い成分以外と反応して水になってしまうため効果が薄くなります。まずは綺麗に掃除をして、仕上げとして次亜塩素酸水を用いるとよいでしょう。